この世に生を受けた以上、学び続けないといけない

―― そうした学びに対する貪欲さは「さすが!」の一言に尽きます。秋吉さんは、40歳で米国のアートカレッジに留学して映像技術を学んでいます。53歳のときには早稲田大学大学院に入学して公共経営学を専攻。なぜ学び続けるのですか?

秋吉 人間である以上、死ぬからですよ。死ぬから、もっと気がつきたい、もっと世の中のこと、いろいろなことをひもときたい。セミは地中から出てきて7日間鳴き続けて死ぬとよくいわれますが、人間は生まれてきた以上、学び続けないといけないと思うんです。

2020年9月に女優人生を振り返るロングインタビューと秘蔵スナップを収録した『秋吉久美子 調書』(映画評論家・樋口尚文との共著/筑摩書房)が発売された
2020年9月に女優人生を振り返るロングインタビューと秘蔵スナップを収録した『秋吉久美子 調書』(映画評論家・樋口尚文との共著/筑摩書房)が発売された

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秋吉久美子「53歳で大学院入学は両親への供養だった」

取材・文/茅島奈緒深 構成/市川礼子(日経ARIA編集部) 写真/稲垣純也

秋吉久美子
女優
秋吉久美子 あきよし・くみこ/1954年、静岡県に生まれ、幼少期から福島県いわき市で育つ。72年、高校3年生のときに映画「旅の重さ」に出演して芸能界入り。青春映画の「赤ちょうちん」「妹」「バージンブルース」に連続主演し、人気が急上昇。ドラマ、舞台へと活動の場を広げる一方で、3度の結婚と離婚を経験。2007年、早稲田大学大学院公共経営研究科に入学(09年修了、公共経営修士取得)。女優人生を振り返るロングインタビューと秘蔵スナップを収録した『秋吉久美子 調書』(映画評論家・樋口尚文との共著/筑摩書房)が発売中