「自己実現」という言葉が苦痛だった
壇蜜 ある程度指針が決まっていて、この枠の中でショータイムの人形としてやってくって言うのが苦じゃないんです。だからよかったのかもしれません。昔から自由にやりなさいと言われるのってすごく苦手で。好きにしていいんだよっていわれると、何をしていいか分からない。「自己実現」って言われるのが、苦痛だったんですよ。
小・中・高校と厳しく自由のない環境で育ってきた自分に、大人になってから「自己実現」を求めるのはあまりにもキツすぎました。だったら最初からインターナショナルスクールに入れて自由な環境で自己実現を教えてくれって。自分を出せる場は自分の中にしかない。そう思っているから、文章を書くことに執着があるのかもしれないですね。
―― なるほど。壇蜜さんがマメに毎日ブログを更新するのも、そういう理由からなんですね。最後にお聞きしたいのですが、ARIA読者には「自分が本当にやりたいことが分からない」と悩む人が多くいます。壇蜜さんはあらゆる仕事を経験していると思いますが、「この仕事が天職」というのは、どうやって決めたらいいのでしょうか。
壇蜜 無理やりにでも自分で決めてしまうしかない、と思います。例えば「今の仕事が天職かも」「これで食べていけるなんて私スゴイ!」って思う時間を1日2分作ってみてください。繰り返すうちに、そう思えてくるかもしれません。
取材・文/竹下順子 写真/洞澤佐智子 ヘアメイク/カツヒロ スタイリング/奥田ひろ子(ルプル)
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