「自分が見せたいもの」と「人が見たいもの」は違う

―― 「壇蜜」誕生にはそんな毒虫のバトルがあったとは。女優デビューとなった主演映画『私の奴隷になりなさい』は過激な表現もある作品でしたが、出演するのに躊躇(ちゅうちょ)はありませんでしたか。

壇蜜 この仕事はやりたくない、とか、この仕事はやりたい、なんて言いません。タレント権の放棄です。基本的にタレントが「私、こうしたいの!」って叫んでいいのは女性誌の中だけですよね。親とは「3年間だけやれるだけのことはやる」と約束していましたし。

 もし、私が「望んでいる仕事ができている」ように皆さんの目に映っているとしたら、それはマネージャーの手腕です。今の事務所は客観的に私を商品として見ている節があるので。そういう人がいないとタレント業は難しいです。1人で「あれやりたい」「これやりたい」といっても、絶対つまずきます。「自分が見せたいもの」と「人が見たいもの」は違う。だから「私はこれを見せたいんだ」っていう権利は放棄してるんです。

―― 今まで「これはできない」ってNGを出した仕事はないということですか?

壇蜜 私の年齢でその仕事はきつかろう、というものは事務所判断でNGを出していますが、私の意志としては……。あ、「男を落とすテクニック」というテーマで講演をと言われたとき。「男を落とすテクニックを私が身に付けていたら、今ごろ私はとっくにヒルズ族の妻になっています」と断ったら分かっていただけたみたいです。

「『自分が見せたいもの』と『人が見たいもの』は違う。だから『私はこれを見せたいんだ』っていう権利は放棄してるんです」