人生に根深くかかわっているデートDV男

―― 前回のお話にあった、「生きづらさ」を感じていた高校時代や、どの仕事も続かないことに悩んでいた20代。その暗黒期をどう乗り越えたんですか?

壇蜜 どう乗り越えたんでしょう……。

 20代後半の3年間、肉体的・精神的な暴力を与えてくるデートDV男と付き合っていたんです。お金がなくてデートDVしてくる彼氏から離れられない。日曜日に出かけて行くと母が心配そうに見ていましたが、もう大人になっていたし止められなかったんでしょうね。デートDVされるのは私のせいかなぁと思う部分もあったんですよ。

 でも、28歳のとき、急に何か降りてきたんですよね。「私は一切悪くない!」って。今はまだこの男と付き合ってるけど「今に見てろよ」って。東京ゲームショウをきっかけに芸能界の仕事を始めてからは、虎視眈々(たんたん)と彼から逃げる機会を窺っていました。自分にも負い目はあるけど、ふてぶてしく頑張ったっていうことが今につながっている気がします。いまだにその人のことは「ハゲて、勃たなくなれ!」と呪ってますよ。意外にその人が私の人生に根深くかかわっていますね。

3つの仕事を掛け持ち 「壇蜜」という仕事が勝った

―― 芸能界デビューは、その東京ゲームショウの仕事がきっかけになったんですね。ブログを始めたころは本名で書いていましたよね。

壇蜜 そのときは事務所にも入っていなかったんです。たまたま東京ゲームショウで『龍が如く』というゲームのキャラクターのオーディションに合格して。その翌年、29歳になったときには遺体の解剖助手の仕事を始めました。同じころ、素人として雑誌のグラビアに出たのをきっかけに、編集者に芸能事務所を紹介されたんです。でも、それだけでは食べていけないから銀座でバニーガールの仕事もやる。3つの仕事を同時に始めたんですよ。

 「ツボに毒虫を3匹入れてどれが生き残るかバトルさせる」みたいなやり方です。最後に残った毒虫が1番強い、みたいな。それが「壇さん(=今の仕事)」だったんです。厳しい女子校生活やDV男との付き合いでギュッと圧縮されていたゴムがパーンと弾けた反動かもしれませんね。それが良いほうに行ったのはとてもラッキーでした。

「3年間付き合ったデートDV男が、人生に根深くかかわっています」