「覚悟を決めて生きていく女たち」が描かれる五社作品
―― 五社監督! 昭和の映画史に欠かせない鬼才です。『鬼龍院花子の生涯』(主演:夏目雅子)、『吉原炎上』(主演:名取裕子)、『極道の妻たち』(主演:岩下志麻)など、女たちのむき出しの生きざまをエロチシズムと鮮烈な映像美で魅せるのが五社作品。友近さんは五社映画を愛するファンとしても知られています。友近さんのコントでも、極道の女などは五社作品イズムが色濃く反映されていますよね。
友近 昔から女性の実録事件モノや任侠映画が好きで。小学校高学年ぐらいから、五社さんの映画も含めたエロスの匂う作品をよく見ていました。最初に見たのは『肉体の門』です。当時は、エロの部分にばかり目が行って「うわっ、なんやこの映画」って思いながら見ましたね。
五社さんが撮る映画には、「順風満帆で幸せな女性」はほとんど出てきません。例えば『吉原炎上』は、親の借金をカタに若くして遊郭に預けられたところからストーリーが描かれます。「人間はここからどうやって立ち直っていくのか」「いかに覚悟を決めて生きていくのか」。そういう人間の選択や生きざまに興味がありました。五社さんの映画は情念みたいなものが気持ちよく描かれているし、自分自身の生き方も考えさせてくれる。いろんな作品を見ました。
次回公開の(下)では、友近さんが『映画極道 五社英雄』のどこに感銘を受けたのかに迫ります。お楽しみに。
◆変更履歴:本文中の「敬意もなく変えようとする」を「変えようとする」に修正しました(2019年4月19日)
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取材・文/平山ゆりの 写真/洞澤佐智子(友近さん)、花井智子(本)
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