みんな彫刻家のような作業をしている

Chara 『ガウディの伝言』には建築の図面も載っているんですけど、それも音楽と似ているなと思いましたね。基本的な説明のために、設計図はあるわけですけど、建築家がそこに落とし込めていないことも多くて。音楽に置き換えると、コード譜は一応あるけど、そこに落とし込まれていない部分を表現できないとミュージシャンはだめなわけですよね。その点もつながりを感じられて面白かったです。

 ガウディが残した設計図を形にするために、実際に作業をしていく職人の方って本当にすごいなって。でも、どんな職業の人にせよ、多分、彫刻家みたいな作業をしているんだと思うんですよね。何もないところから、自分にとっての何かを掘り出していく作業をするというか。そうやって自分自身をデザインして、ライフスタイルを築いていくようなところもあると思うんですよね。

―― Charaさんは、言葉や文字からインスピレーションを受けることが多い人ではないか、という印象があります。

Chara 本を読んでいると、平仮名とかカタカナとか漢字によって、視覚的にいろいろと感じることがあるんですよね。平仮名だと優しい感じがしたり、頭の中で実際に発音して読むことで音階やリズムが生まれたり。外尾さんがとても良い声をしている方っていうのもあって、『ガウディの伝言』は、外尾さんの声で文字が頭に入ってきました(笑)。まるで外尾さんがガウディの建築や足跡を案内してくれているような感じがして。こんなふうに、本って自分の好きな読み方で読めばいいと思うんですよね。