談志師匠に闘志をもらっていた

坂井 落語について詳しくない私でも、面白く読めました。話の背後には、落語に対する熱い思いがすごくたくさん詰まっているんです。談志師匠が本を書かれるのも、落語を愛していて、広めたいということでやってらっしゃると思うのです。談志師匠の生きざまを知るにつけ、私も女優という好きな仕事をしているのだから、談志師匠のように自分らしい生きざまを皆さんに見せていけたらいいなと思うようになりました。

 自分がウジウジしているときにこの本のページをめくって、談志師匠はどんなふうに考えていたのかな、と想像を巡らせることもよくありました。自信をなくしかけているときでも、談志師匠の落語を聴いたり、本を読んだりすることで闘志をもらうことができる。自分に活を入れるために談志師匠に触れていたところがありますね。

「『いい女優なんて一人もいやしない』と談志師匠がおっしゃっているのを聞いても、その奥に優しさを感じます」
「『いい女優なんて一人もいやしない』と談志師匠がおっしゃっているのを聞いても、その奥に優しさを感じます」

―― 坂井さんが舞台に初挑戦したのは、談志師匠の落語会に初めて足を運んだ頃でしょうか。