私みたいにドМな人生を歩まなくてもいい
小巻 サンリオと距離を置くどころか、サンリオの中でもど真ん中(笑)に引き寄せられ、サンリオピューロランド館長に就任することになりました。でも、結果的にはこれまで学んだすべてのことが生きているんですよね。
―― サンリオピューロランドに来る前は女性支援やCSRの仕事をしていたんですよね。
小巻 サンリオ本体とは関係ない部署にいましたから、受け入れるほうも大変だったと思います。数字にも弱かったので、財務諸表を見るために簿記を習いました。苦手なことをここでクリアしておきなさいと言われているんだろうなと思っているうちに、楽しくなってしまって(笑)。『人生は廻る輪のように』の中に「人生に偶然はない。起こったことは、起こるべくして起こった」と記されているのですが、すべて目の前に現れてくる事は何らかの意味があって、私が果たすべき宿題がそこに隠されているんだろうなと思いました。
―― 仕事をしながら、本当にいろいろなことを学び続けているんですね。
小巻 やっぱり私の根底には自己肯定感が低いということがあると思いますね。
足りないところにすぐ目が行ってしまう性分なんです。でも、足りないところが見えるからこそ頑張れる。見方を変えればすごくいい循環なんですが。上がれば上がるほど、また裾野が広がって足りないところが見えてしまう。自己肯定感がなかなか上がらないスパイラルです。
普通は55歳になったら、もう苦手な物にはフタをして生きていきたくなりますよ。でも、私はたまたま「そのフタを開けなさい」と言われることが続く。でも、それは人それぞれで、フタを開けなくてもいい人はそれでいいんです。私みたいにドМな人生を歩まなくてもいいと思います(笑)。
―― 頑張り過ぎている人たちに何かアドバイスはありますか?
小巻 自分が今、何に振り回されているのかを考えてみてください。