逆転の一冊　小巻亜矢「人の荷物を背負うのをやめた日」

　無責任には受けられないので、私が重責を担えるかな、としばし悩みましたが「NO」という選択肢はないなと思いました。非常に大変な会社の状況でしたし、私にとってはすごく大きな挑戦でした。

53歳からの「学び直し」で大学院へ通い始めた

――　ちょうど東京大学大学院を修了した時期ですね。大学院で学んだことがスタッフとの対話や、導入した朝礼のシステムなど、業績を回復させるための意識改革に役に立ったと聞きました。

小巻　大学院に通い始めたのは53歳。そのときには、どちらかというとサンリオと距離を置いて生きていくタイミングが来たかなと思っていたんです。

　ところが運命はそうじゃなかったんです。

『人生は廻る輪のように』（エリザベス・キューブラー・ロス／角川文庫）