どんな苦しみも、哀しみも「その経験が教訓になる」と学んだ

小巻 まず本の冒頭にある「逆境だけが人を強くする。教訓を学んだときに苦痛は消え失せる」という言葉が胸に刺さりました。

 (子どもを亡くし)「死んだあの子はたった1人でどこに行ってしまったんだろう」とか、「一緒に死んであげなくてよかったんだろうか」と、ずっと思っていたんですね。それが、この本を読んでやっと心が解放されました。

 どんなにもがき苦しむようなことがあっても、「この経験は私に何を教えてくれているんだろう」と考えられる状況に自分が変わったとき、ふと楽になるんですよね。40代で乳がんを患い、立て続けに子宮の病気にかかったときにも、この本を読んでいたことが心の支えになりました。

―― まさに、「教訓を学んだら苦痛は消え失せる」ということですね。

小巻 そうです。その冒頭から引き込まれて、何度も読み込みました。「死」がテーマなのですが、それは同時に「生きる」ことをテーマにした本でもあって、すごく心にズシンときました。

『人生は廻る輪のように』(エリザベス・キューブラー・ロス/角川文庫)。 世界的ロングセラー『死ぬ瞬間』の著者、精神科医のキューブラー・ロスによる自伝。国際平和義勇軍での難民救済活動、結婚とアメリカへの移住、末期医療と死の科学への取り組みなど、ひたむきで波乱万丈な人生をつづる。死と隣り合わせの患者たちと真摯に向き合った著者の体験は、人が生きる上で大切にすべき金言に満ちている

―― 最初に読んだのは何歳のときですか?

小巻 45歳のときです。子どもを亡くした直後は、本を読む気力もなかったんです。頭に何も入ってこなかったので。ずっと自分の感情に蓋をして生きてきたのですが、コーチングを学ぶプロセスの中で、自分と深く向き合わざるを得なくなりました。