―― 30代で2人のお子さんを連れて離婚した後はすぐにサンリオに復社されたんですか?

小巻 離婚したものの、30代後半でしかも無職だった私がやれる仕事がなく、「自分は社会で何の役にも立たない」と思っていました。現実を思い知らされ、疎外感や無力感の中にしばらくいました。あの当時の自分を思うと今でも苦しくなります。

 だから、たまたま誘われて化粧品販売の仕事を始めたときに、ものすごく頑張ったんです。化粧品の成分や皮膚理論、アロマテラピーとフェイシャルを必死で学びました。子育てをしながら全国を回っていたら、本当に疲れ果てて倒れてしまって。過労死寸前までいきました。身体のことをまったく気にかけていなかった。だから今は、若い世代の女性に心と身体にコンシャスに生きることを伝えるための活動をしているのだと思います。

―― 仕事も忙しい中で、40代でコーチングを学ぼうと思ったきっかけは?

小巻 化粧品の仕事で全国を回っているとき、女性の悩みを聞く機会がすごく多かったんです。一生懸命答える、でも、それは私にとっての答えでしかない。その当時は子育てでも自分のふがいなさを感じることが多々ありました。体の傷は目に見えるけれど、心の傷は何で癒やせばいいんだろうと。人の心と向き合わざるを得ない時期だったんですね。それで、コーチングを学んだんです。

 そのとき、コーチングを学ぶ仲間に勧められたのが、私を救ってくれた『人生は廻る輪のように』(エリザベス・キューブラー・ロス/角川書店)です。

―― 精神科医として「死の概念を変えた」と言われるロスの自伝ですね。どんなところが心に響いたのですか?