裏切り、病気、孤独、死別、離婚、失業――ARIA世代にはあらゆるピンチが襲ってきます。そんな人生最大のピンチに陥ったときに、局面を打開するきっかけになった「逆転の一冊」を聞くリレー連載。一度はどん底を見た女性たちが「人生を好転させる」のに役立った虎の子の一冊とは? 連載第2回は、サンリオピューロランド館長の小巻亜矢さんの一冊。息子の死や離婚を経験した、地獄のような30代を抜け出すきっかけとなった一冊について語ります。

(上)2歳の息子の死に光をくれた本 ←今回はここ
(下)人の荷物を背負うのをやめた日

30代で立て続けに訪れた哀しみ――遅まきの自分探しが始まった

―― 50代でサンリオ内に女性支援の会社を立ち上げ、東大大学院修了後は、サンリオピューロランド初の女性館長に就任。低迷していた来場者をV字回復させるという素晴らしい業績を上げていますが、30代、40代はどのように過ごしていましたか?

小巻亜矢さん(以下、敬称略) 30代は本当に地獄のような毎日でした。

 20代で結婚退社をし、3人の男児の子育てをしていたのですが、私が34歳のときに事故で2歳の次男を亡くして。精神的にどん底だったのはそれから少し後です。うれしいことも何も感じない。感情を外には出せない時期、笑えない時期が長くありました。

サンリオピューロランドの館長に就任して4年。業績V字回復の立役者だが、離婚した後はなかなか仕事が見つからず「自分は社会で何の役にも立たない」と思っていた

 このままだと「息はしているけれど、生きていない」と思ったんです。子育てはしているけれど、自分が何者なのか、何のために生きているのか、生きていていいのか、とすごく切なく情けない気持ちで日々をこなしていた感じでした。そんな自分から抜け出したくて離婚。再就職で経済的にも自立を目指し、カウンセリングやコーチングを学ぶという、遅まきながらの「自分探し」が始まりました。