村木 いじめにも負けず、傲慢になることもなく、淡々と、今、自分ができることをやっていく。テニスが好きだという思いを大事にしながら高みを目指し、地道に頑張り続ける姿は、今読んでも素直にいいなと思います。
―― どんな時に読みたくなりますか?
村木 弱っている時ですね。仕事でいろいろ考え過ぎて行き詰まってしまった時、めったに引かない風邪を引いて寝込んで、体も気持ちも弱っているような時に。エネルギーが切れている時に読むと、何歳になっても同じように元気がもらえるんです。私にとってはビタミン剤みたいな存在です。特効薬というより、なくてはならない、常備薬。
大学卒業後に入省する時も実家から単行本を持って行きましたし、結婚する時も“嫁入り漫画”として持参しました。今も1年に1回は読み直しています。二人の娘も読んでいて、親子で漫画の話をすることもあるんですよ。「私は藤堂(貴之)さんが好き」「千葉(鷹志)さんも意外といける」みたいに、好きなイケメン話で盛り上がったりしています(笑)。
来週公開の(下)では、管理職として『エースをねらえ!』に感銘を受ける話を聞きます。お楽しみに。
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「若草プロジェクト」呼びかけ人、元厚生労働事務次官
取材・文/松田亜子 写真/洞澤佐智子