この連載では、ARIA世代が今、「ドヤ顔して語りたい画家」について小気味よくご紹介。今回は、近代画家の創始者とも言われるエドゥアール・マネに迫ります。現在、マネ晩年の傑作が東京都美術館で公開中。このミステリアスな作品に秘められたマネのたくらみとは? コラムの最後には、今週のオススメ美術展情報も載せているのでチェック!

革新的だった『草上の昼食』『オランピア』

 モネと言えば、『睡蓮』で知られる印象派を代表する画家(「モネの「幻の睡蓮」が60年ぶりに奇跡の発見&来日!」参照)。積みわらや睡蓮などのモチーフを連作という形式で描き、刻々と変わる光の効果を追求しました。では、モネとは名前が1文字違いな上に活躍した時代もほぼ同じ。時折、間違えそうにもなる「マネ」の画業をご存じでしょうか。

 「マネは、『印象派の父』的な存在です。19世紀中盤に活躍し、印象派を筆頭に後世の画家に多大な影響を与えました。理想化されていない、同時代の女性の裸を描いた『草上の昼食』、パリの高級娼婦を描いた『オランピア』など、スキャンダラスな絵をサロンに出展し、大きな注目を集めました。

 マネはモネより8歳年上で、サロンにもマネが先に出展しています。その後に名前がそっくりのモネが画壇に登場して、当初は少し嫌悪感を抱いていたと言われています。とはいえ、後にはマネがモネに資金援助をしたり、一緒に絵を描いたりするなど、良好な関係を築きました」(東京都美術館学芸員・大橋菜都子さん)

 そんな近代画家の創始者とも言われる革新的なマネの魅力が存分に味わえる、生涯最後の大作『フォリー₌ベルジェールのバー』が「コートールド美術館展」(東京都美術館、開催中~12月15日)で展示されています。

エドゥアール・マネ『フォリー₌ベルジェールのバー』
1882年/油彩・キャンバス/コートールド美術館 (C) Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust)
「フォリー₌ベルジェール」とは、カフェやバー、劇場などを備えた大衆娯楽施設。当時のパリで随一の人気を誇っていた。左上にわずかに曲芸師の足が見え、ショーが開催中だということが分かる。この絵をよく見ると、違和感を覚えないだろうか? マネがこの絵にひそませたたくらみとは?