注目のあの展覧会、開催はどうなった?

 2020年3月14日の開幕を予定していた「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」(東京都現代美術館)は、会期を延期して6月9日~9月27日まで開催。ニューヨークのイースト川に人工の滝を出現させたパブリックアートをはじめ、自然を巧みに変容させ、鑑賞者に新しい知覚体験を与えるインスタレーションなどで評価されるエリアソンの大規模な個展。日本では10年ぶりとなります。

 3月11日の開幕を予定していた「古典×現代 2020―時空を超える日本のアート」(国立新美術館)は、会期を延期して6月24日~8月24日まで開催。円空、尾形乾山、曽我蕭白、葛飾北斎など江戸時代に活躍した巨匠の作品や刀剣、仏像と組み合わせて展示されるのは、横尾忠則、鴻池朋子、皆川明、田根剛など8人の現代日本を代表する作家たちの創作。時代を超えた類似や親和性を探り出します。

 2月26日に開幕したものの、新型コロナウイルス対策による休館のため3日間の開催にとどまっていた「ピーター・ドイグ展」(東京国立近代美術館)が6月12日に再開(10月11日まで)。4月14日に開幕を予定していた特別展「きもの KIMONO」(東京国立博物館)は、会期を延期して6月30日~8月23日まで開催。4月11日に開幕を予定していた特別展「聖地をたずねて─西国三十三所の信仰と至宝─」(京都国立博物館)も、会期を延期して7月23日~9月13日に開催となりました。

 今週末が観覧のラストチャンスとなるのが、特別展「奇才―江戸絵画の冒険者たち―」(東京都江戸東京博物館)。6月2日~6月21日という短期間での開催となってしまいました。知られざる奇才の画家たちの競演をお見逃しなく!

大幅な延期&中止になった展覧会

 開催の大幅な延期が決まった展覧会もあります。7月の開幕を予定していた特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」(東京国立博物館)は2021年春に、9月に開幕を予定していた「アンディ・ウォーホル・キョウト」(京都市京セラ美術館)は来年度以降に、6月の開幕を予定していた特別展「国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ」(東京国立博物館)も1年程度の延期が発表されています。

 なお、新型コロナの影響で中止になった主な展覧会は、「京(みやこ)の国宝―守り伝える日本のたから―」(京都市京セラ美術館)、特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」(東京国立博物館)、「スポーツinアート ギリシャ彫刻×印象派の時代」(国立西洋美術館)、「ボストン美術館展 芸術×力」(東京都美術館)、御即位記念特別展「雅楽の美」(東京芸術大学大学美術館)、「和食展~日本の自然、人々の知恵~」(国立科学博物館)などです。

※すべて2020年6月15日時点の情報。各展覧会の入館に関する注意事項などは、それぞれのウェブサイトでご確認ください。

◆変更履歴:バンクシー展に関して「世界4都市で開催」を「世界5都市で開催」に、「オリジナル作品を70点以上」を「オリジナル作品を含む70点以上」に修正しました(2020年6月18日)

取材・文/市川礼子(日経ARIA編集部)