バンクシー作品の中でも有名な『ガール・ウィズ・バルーン』は、もともと2002年にロンドンの橋の階段に描かれていた(現存しない)。2018年にはロンドンのオークションハウスで、額縁に収められた風船と少女の作品がおよそ1億5000万円で落札された。その直後に作品が機械によってバラバラに切断されてしまい、世界を驚愕(きょうがく)させた
バンクシー作品の中でも有名な『ガール・ウィズ・バルーン』は、もともと2002年にロンドンの橋の階段に描かれていた(現存しない)。2018年にはロンドンのオークションハウスで、額縁に収められた風船と少女の作品がおよそ1億5000万円で落札された。その直後に作品が機械によってバラバラに切断されてしまい、世界を驚愕(きょうがく)させた
複数の写真や映像からバンクシーのスタジオを再現したものが展示されている
複数の写真や映像からバンクシーのスタジオを再現したものが展示されている

心がざわつく作品のオンパレード

 磔刑(たっけい)の場面で(しかし十字架は取り除かれている)キリストにクリスマスのプレゼントが入った紙袋を持たせて私たちの消費社会へ警鐘を鳴らしたり、英国議会の議事堂でバナナを投げ合うつもりでいるサルの議員たちを描いた作品で私たちを揺さぶったり……。あらゆる社会問題を突き付けて鑑賞者の心をえぐるような作品が並び、会場を出るころには、これまでとは違った意識が芽生えていることに気付くはずです。展示されているのは、バンクシーのオリジナル作品を含む70点以上。バンクシーの軌跡をたどることもできる展覧会です。

『ラブ・イズ・イン・ジ・エア』は、街頭で抗議する人を描いた作品。顔をバンダナで隠し、火炎瓶を投げているように見えるが、よく見ると手にしているのは花束
『ラブ・イズ・イン・ジ・エア』は、街頭で抗議する人を描いた作品。顔をバンダナで隠し、火炎瓶を投げているように見えるが、よく見ると手にしているのは花束
2017年、英国の港町ドーバーの壁に出現した『ブレグジット』。巨大な欧州連合の旗から、作業員が金色の星の一つを削り取る様子が描かれている
2017年、英国の港町ドーバーの壁に出現した『ブレグジット』。巨大な欧州連合の旗から、作業員が金色の星の一つを削り取る様子が描かれている
バンクシー展 天才か反逆者か
会期:2020年3月15日~9月27日
会場:アソビル 横浜市西区高島2-14-9
料金:一般1800円(土日祝は2000円) 
大阪会場:2020年10月~開催予定
※日時指定制。詳細は公式ウェブサイトで案内