今回は、連載「ドヤれる週末ARIA美術展」の番外編をお届けします。前回ご紹介した「クリムト展 ウィーンと日本 1900」のスペシャルサポーターであり、音声ガイドのゲストナレーターも務めた稲垣吾郎さんがクリムトへの熱い思いを語ってくれました。2018年、舞台「No.9-不滅の旋律-」でベートーヴェンを演じた稲垣さんは、34メートル超の絵物語『ベートーヴェン・フリーズ』の原寸大複製や『ユディトI』を前に、何を思ったのでしょうか。
芸術の都ウィーンの英雄、ベートーヴェン&クリムト
稲垣吾郎さん(以下、敬称略) 2018年春、舞台でベートーヴェンを演じるにあたって彼の住んだ家や墓地、指揮した場所などをたどるテレビ番組に出演させていただきました。もともとヨーロッパの歴史や文化には興味がありましたが、初めて訪れたウィーンでは貴重な時間を過ごすことができました。
収録の合間には美術館にも足を運び、クリムトの絵を何点か見て回りました。もちろん、クリムトの絵はすてきだという認識がありましたが、そこまで意識をしてはいなかった。(クリムトの代表作の)『接吻(せっぷん)』などを目の当たりにして、その華やかさ、繊細さ、圧倒的な存在感に心を奪われました。(※『接吻は』展覧会への出展はなし)
その時は、この『ベートーヴェン・フリーズ』を見ることができなかったので、今回展示される原寸大複製を楽しみにしていました。
―― クリムトがベートーヴェンの交響曲第9番に着想を得た『ベートーヴェン・フリーズ』をご覧になっていかがですか。