この連載では、ARIA世代が今、「ドヤ顔して語りたい画家」について小気味よくご紹介。今回は、20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエの画家としての知られざる側面に迫ります。彼が提唱した芸術運動とは? コラムの最後には、今週のオススメ美術展情報も載せているのでチェック! ル・コルビュジエによる名建築・国立西洋美術館の中で、彼の絵画を堪能できるという、稀有な美術展です。

 「キュビスム」といえば、パブロ・ピカソやジョルジュ・ブラックが中心となって展開した、20世紀初頭における最も重要な芸術運動。物の形をいろいろな角度から見て解体、単純化、そして再構成する新たな表現方法は、ルネサンス以降の伝統的な絵画の意味や機能を覆した――ここまではご存じの方も多いはず。

 では、「ピュリスム(純粋主義)」はご存じでしょうか? まずはこの絵をご覧ください。

シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ(ル・コルビュジエ)『多数のオブジェのある静物』
何が描かれているかサッパリ分からない…が、諦めずにじっくり見ると、ワインのボトルなどが平面化して描かれ、重層的な空間になっているのが分かります。「見たものを見たままに描く」のではなく、単純化した美しさを追求したのがピュリスムです。1923年/パリ、ル・コルビュジエ財団 (C)FLC/ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2018 B0365