山雪が生まれたのは、豊臣秀吉が天下統一を果たし、絵師・狩野永徳が没した1590年。16歳ごろに狩野永徳の門人だった狩野山楽に弟子入りしました。徳川家康が天下を取ると狩野派は京から江戸に本拠を移し、幕府の御用絵師として勢力を拡大しましたが、山雪は京に残って京狩野を継ぎます。

「学者肌で世間との関わりよりも孤独を好む人物だったようです。山雪の画風は、独特であったがゆえに『継承』されることはありませんでした。さらに、後の狩野派が“御用絵師”としてマンネリズムになっていった結果、戦国時代のたぎり=ダイナミズムを残す山雪の絵は、今でも狩野派のなかで異彩を放っています」(中原さん)

今回のドヤ顔ワード1
狩野山雪といえば、メトロポリタン美術館の日本ギャラリーのメインを飾っている絵師。日本より海外で知られる画家だよ。狩野派の変わり種なんだって。

 「奇想の系譜展」には、山雪以外にも私たちが押さえておきたい画家がいます。その筆頭はやっぱり伊藤若冲です。