働き方や生き方を変える、住む場所や働く場所を変える、そんなライフシフトをいつかやってみたい――ひそかにそう思っているARIA世代はたくさんいます。数々のライフシフターを取材してきた河野純子さんによるライフシフト解説。今回は、前回の記事で紹介した、ライフシフトを後押しする「変身資産」を活かして、夫も巻き込んだライフシフトを実現したケースを紹介します。

今回登場するライフシフター
■富永紀子さん(ライフシフト年齢47歳/3人家族)
10年後の海外移住を目指して、副業から「外国人向け和食教室」をスタート

 前回の記事「ライフシフトに必要な10の変身資産 あなたの強みは?」では、ライフシフトの法則4「変身資産を活かす」についてお話ししました。「変身資産」とは、変化に対応する力やマインド、変化によるリスクを軽減できる知識のことです。

 ライフシフターを取材する中で、「変身資産」には10の種類があることに気づきました。今回は、その10ある変身資産の中でも、「とにかくやってみる」「どんなことからも学んでいる」、そして「自分の人生時間を自分でマネジメントする」という強みを活かしてライフシフトした、富永さんのケースについてお話していきましょう。

夫との二人旅がライフシフトの大きなきっかけ

外国人向けの和食教室「わしょクック」を起業した富永紀子さん(写真中央)
外国人向けの和食教室「わしょクック」を起業した富永紀子さん(写真中央)

 47歳で製薬会社を退職し、外国人向けの和食教室「わしょクック」を起業した富永紀子さんのライフシフトは2008年、39歳のときに夫と二人でニュージーランドを旅したことが出発点でした。

 いつかは海外に住みたいという漠然とした思いがあった富永さん夫婦。ニュージーランドで50代の夫婦が営む1日1組限定のロッジに泊まり、そこで出合った温かい家庭料理でのおもてなしや地元の人との触れ合いに感激して、移住するなららここだ! と決意します。