働き方や生き方を、住む場所や働く場所を変える、そんなライフシフトをいつかやってみたい――ひそかにそう思っているARIA世代はたくさんいるはず。「特別なキャリアや強みがない私にもライフシフトはできるのでしょうか」。数々のライフシフターを取材してきた河野純子さんが、ライフシフトの第一歩の踏み出し方を実例をもとに解説します。

今回登場するライフシフター
■手塚貴子さん(シングル・ライフシフト年齢51歳)
広告代理店を37歳で辞めてフリーのプロデューサーとして活躍していたが、東京暮らしに疲れ、51歳で新潟に移住。「作る人と食べる人をつなぐ」というミッションを見つけた。

 「私の人生、このままでいいのかな……」。もしあなたが今、そんなもやもやする思いを抱いているとしたら、ライフシフトを始めるチャンスかもしれません。

ライフシフトのプロセスには共通点がある

 私はライフシフト・ジャパンの活動を通じて、従来の価値観や役割意識にとらわれず、人生の主人公として「100年ライフ」を楽しんでいるたくさんのライフシフターと出会ってきました。一人ひとりのライフシフト物語は実に多彩ですが、共通する「法則」もいくつかあります。その一つが、「5つのステージを通る」ということ。そしてその最初のステージは、「心が騒ぐ」です。

 自分のキャリアや家族関係、将来のありたい姿などを巡って、心が騒ぐことは誰しもあるものです。このとき、日々の忙しさの中でその思いに蓋をしてしまったり、今の自分には何もできないと諦めてしまっては、ライフシフトは始まりません。

そのモヤモヤ、大事にしたほうがいいかもしれません
そのモヤモヤ、大事にしたほうがいいかもしれません

 「もやもや」と向き合い、それを受け止め、なぜもやもやするのか、自分は何を求めているのかを自問自答することがライフシフトの出発点なのです。