時間はたっぷりあるのだから、と次にどんな仕事をするかは決めずに、2~3年はこれからの自分に必要だと思うことを学ぼうとだけ決めて退職。英語にずっとコンプレックスがあった私は、まずはフィリピン・セブ島に3週間、アメリカ・オレゴン州のポートランドに3カ月語学留学をしました。昨年からは大学院で社会イノベーションやライフシフトについて学びながら、ライフシフト・ジャパンの活動に参加しています。

 私自身、まだまだライフシフトの途中ですが、会社という枠組みに縛られずに仕事や時間をマネジメントできる爽快感や楽しさを実感しつつ、これからの自分の変化にワクワクしているところです。

 私があまり先のことを心配し過ぎずに後半人生に向けたライフシフトに一歩踏み出せたのは、44歳の時に一度、転職を経験していたからかもしれません

40代は後半人生に向けたライフシフト適齢期

 当時の私は女性向け転職情報誌の編集長として、10年にわたって働く女性を応援していましたが、やり切ったという達成感とともに、もっと広いフィールドで社会に貢献する事業開発に挑戦したいという思いが芽生え、縁あって総合商社に転職を決めました。全く異なる企業文化の中、多くのことを学んだ9年間でしたが、その間に自分に多くの「変身資産」が蓄積されていたことが、今回のライフシフトを支えてくれているように思うのです。

 「変身資産」とは、人が変化するために必要な資産。詳しくは今後の記事で紹介したいと思いますが、「自分についての知識」「多様な人的ネットワーク」「新しい経験に対して開かれた姿勢」などがそれに当たります。私の今回のライフシフトの準備は40代から始まっていたのです。

40代での転職がライフシフトの準備につながった
40代での転職がライフシフトの準備につながった