モデルとしてさまざまなメディアで活躍する敦子さん(42歳)。2年前に離婚し、5人を育てるシングルマザーとなった。そして今は看護師免許を取得するため看護学校に通う学生でもある。3足のわらじを履き、走り続ける敦子さんが目指す姿とは?

(上)5人を育てるシングルマザーが挑む助産師
(中)「やり残したこと」がある人生は嫌だった
(下)面接で「モデルに下のお世話ができるの?」 ←今回はココ

 モデル・敦子さんは、「助産師になる」という夢をかなえるべく、現在看護学校に通っている。今年度は、看護師免許を取得するための試験と来年から通う助産師学校の試験が重なるダブル受験の年だ。モデルのキャリアや助産師を目指した背景を語ってもらった上編、中編に続き、下編では、勉強しながら5人の子育てという多忙な毎日をどのようにこなしているのか、そして将来目指している姿を教えてもらった。

面接落ちが続いた看護学校受験

 「実は看護学校の入学試験は立て続けに落ちてしまったんです。一般入試の枠で何校も受けたんですが、どこも受からなくて、社会人入試も受けてみたのですが、それも全滅でした。そして最後の最後、2月に行われた一般入試の2次試験でようやく今の学校に合格することができたんです」

 今通っている看護学校では、学内の定期テストの成績が良く、特待生として学費の一部を免除されている敦子さん。それでもなかなか合格できなかったというのは、どういうことなのだろう。

モデル・敦子さん「今通っている看護学校は最後の最後で合格できたところです」
モデル・敦子さん「今通っている看護学校は最後の最後で合格できたところです」

 「面接でことごとく落ちてしまったんです。モデルという職業の印象が良くなかったみたいで『モデルのあなたに本当に看護ができるんですか? 下のお世話もあるんですよ? 本気でなるつもりがあるんですか?』と言われたこともありました」

 面接官がそう問いかけた心情も、分からなくもない。モデルという華やかな世界と、下のお世話もある看護の世界はかけ離れている印象がある。ただ、敦子さんにとっては決して無理なセカンドキャリアではなかった。