がんを経験した人のために、運動教室や健康管理を学ぶ講座を主催する一般社団法人、キャンサーフィットネス。代表理事の広瀬真奈美さん(56歳)は、米国のNPOでがん患者向けの運動療法を学び、日本での活動を開始した。運動習慣のない人向けに健康管理を学ぶ講座も開設。がん以外の病気の当事者や家族のニーズにこたえるという、新しいゴールも見え始めた。

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がん治療後のケアに運動を 45歳での乳がんが転機


 夫が経営する歯科クリニックを支え、「表情研究家」としての仕事が軌道に乗ってきた45歳で乳がんの手術を受けた広瀬真奈美さん。予想を超えた後遺症に苦しむ中で、米国のNPO、Moving For Lifeによるがん患者向けの運動療法に出合った

 Moving For Lifeの認定インストラクターになるためには規定時間数の講習を受け、大量のリポートを提出し、試験に合格する必要があった。何度もの渡米や長期滞在は難しかったため、Moving For Lifeで指導している様々な理論や手法を日本でも学べないか相談。「日本で当時、そうした指導ができる人が1人しかおらず、やっと見つかったのが杉本亮子先生でした」

 杉本さんはお茶の水女子大学大学院で動作学を専攻、現在ボディコンディショニングの専門家である。広瀬さんは杉本さんから専門知識を学び、Moving For Lifeの認定試験の際は杉本さんと渡米して一緒に試験を受け、二人共に認定インストラクターになった。キャンサーフィットネスを立ち上げるときには理事として参加してもらった。

キャンサーフィットネスの活動を共に支える理事の杉本亮子さん(左)と広瀬さん
キャンサーフィットネスの活動を共に支える理事の杉本亮子さん(左)と広瀬さん