5人を出産、育児に追われる自分に焦りを感じた30代前半

 その後、第2子の次男、続けて男女の双子、5人目になる末っ子の四男を出産。30代前半までは出産と育児に追われた。

 「とにかく焦っていました。子どもは大好きなので、子育て自体は苦にならなかったのですが、育児に追われる日々に不安になり、子どもたちのお世話ばかりで、私何もできていない……。このままでいいのかな、この生活が永遠に続くのかなって思っていました

 この頃の敦子さんは、はたから見ればママモデルとして順風満帆だった。セレブママモデルのイメージでファッション雑誌『VERY』のレギュラーモデルとなり、カバーモデルも務めていた。その実、裏には焦りがあったという。

 「今思えば、30代前半だったからかも。その頃って、女性はライフプランに悩みがちな年代なのかもしれません。30代後半からちょっとずつ楽になっていくんですけどね」

育児の合間に資格の勉強

 その頃、焦りから、仕事と育児の合間を縫ってさまざまな資格取得にチャレンジし始めた。

 「最初に取得したのはチャイルドカウンセラーという資格です。双子である三男と長女を出産した頃でした。産休中の家にいる時間を有効に使いたいと思い、子どもたちがお昼寝をしている間や夜の時間を使って通信で勉強しました。ちょっとずつしかできなかったので、2年間くらいかかりましたけど……」

 それから、チャイルドケア・コーディネーター、日本食育アドバイザー、誕生学アドバイザーといった資格も続けて取得した。

 「新しいもの好きなだけかも(笑)。新しい知識をインプットするのは好きです。自分がアップデートされている感じ。成長を感じるのはうれしいですね」

 焦りを感じながらも、その突破口を探すべく突き進んでいた頃、敦子さんに思わぬ転機が訪れていた。

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モデル・敦子 「やり残したこと」がある人生は嫌だった

取材・文/磯部麻衣(日経ARIA編集部) 撮影/洞澤佐智子