離婚成立後につづった1冊のエンディングノート

 その後、すべてを受け入れて、離婚の手続きは争うことなく成立した。そして、今までの自分と決別し、再出発を誓うためにエンディングノートを書いた。そのエンディングノートは、かつて参加した異業種交流会をきっかけに購入したもの。そのままになっていたことをふと思い出し、ページを開いてその時の気持ちを書き留めた。

離婚後のあふれる思いをつづったエンディングノート。「思い出」「葬儀について」などを書くことで気持ちの整理がついたという
離婚後のあふれる思いをつづったエンディングノート。「思い出」「葬儀について」などを書くことで気持ちの整理がついたという

 再出発の第一歩は被災地支援のボランティア活動から始まった。物資や人の援助を受けるため、東京と宮城を行き来する生活をするうちに、異業種交流会で知り合った人から頼まれて「頻繁に東京へ行くのなら」と、ある男性識者のマネジメントとPRを手伝うようになった。佐藤さんがかつて経験してきた、実家の料亭での仕事や、元夫の会社経営をサポートするうちに培われた社交的な性格を買われてのことだったのだろう。

 「東京へ行く機会が増えて、私自身が『この人に頼めば活躍の場が広がる』と見込んでもらえる存在になったのかもしれません。実際にマネジメントを請け負った男性識者にお会いしたら、とても優秀なのに口下手で自分を売り込むのが苦手なことが分かりました。その部分をサポートしてあげればきっと成功する、と思ってその通りにしたら、みるみる活躍するように。それがクチコミで広がって、同じような相談事が増えて、また別の作家のPRをお手伝いすることになりました。人のサポートをして成功を手助けできることにやりがいを感じ、『私はPRの道を極めよう』と上京を決意しました」