結婚を機に客室乗務員(CA)を辞めた新開ミヤ子さん(52)。「やりたいことと向いていることは違う」と考えた新開さんが退職前から次のステージに選んでいたのが料理教室の主宰だった。必要な知識や技術を学ぶため数多くの教室に通って研さんを積み、その中で“薬膳”に出合い、現在の薬膳料理教室につながる。生徒が増え、韓国・全羅南道名誉広報大使にも任命された。「薬膳を広めたい」という目標をかなえた新開さんが次に目指すこととは?

(上)病院のリハビリ室を飛び出した鍼灸師、30歳でCAに
(下)友人6人から始めた料理教室は、月100人超えに成長 ←今回はココ

 仕事を続けるには、根底に誇りとやりがいを持てるかが大切だということを痛感した新開さん。転職後半年で、「私にとってCAは一生続けたい仕事ではない」と考えるようになった。そんな中、CA2年目の32歳の時に現在の夫と出会い、34歳で結婚を約束。「当時、夫はまだ大学院生。2年後に産業医として社会に出る予定でした。折しも勤めていた航空会社は日本航空への吸収合併が決まり、私も退職か契約社員として仕事を続けるかの選択を迫られることになり、結婚を機にCAを辞めることを決断しました

料理研究家・新開ミヤ子さん。「約6年間CAとして勤め、そのキャリアを終えました」
料理研究家・新開ミヤ子さん。「約6年間CAとして勤め、そのキャリアを終えました」

寝ても覚めても料理のことを考えたい

 「CAを辞めた後、生活のために働かなくてよいのなら、何が一番したいのか、と自分自身に問いました。真っ先に浮かんだのが料理でした。食べることが大好きで、寝ても覚めても料理のことを考え、それが生活の中にあって、さらに仕事にできたらどんなに楽しいだろう、と思ったのです。このとき、退職後の道が決まりました」

 料理教室主宰という目標が定まった新開さんは、必要な知識や技術を貪欲に身に付けていく。まだCAとして働いていた時にソムリエ資格を取得。退職後はチーズプロフェッショナルを取得し、フードコーディネーターを養成する学校に通った。また、大手の料理の専門学校から個人経営の料理サロンなど、さまざまな形態の教室で、和食からフランス料理まで多様なカテゴリーの料理を学んだという。