花とグリーンのギフトを扱う第一園芸で、本物の植物をあしらったボタニカルアクセサリーブランド「Kunie Katori」のデザイナーを務める香取邦枝さん(52)。実は、同社で10店舗の運営管理を任される店舗事業部長という顔も併せ持つ。また、デザイナーデビューと同時期に、これまでに経験のない分野でのマネジメントという新たなステージにも踏み出した。管理職兼デザイナーという「二刀流」を自然体でこなす香取さんは、どんなキャリアを歩んできたのだろうか。

(上)52歳部長が会社を辞めずに得た二つの顔 趣味が起点
(下)組織変動や異動「流されキャリア」生かした50代管理職 ←今回はココ

テンションが上がる仕事を求めて転職

 社内の部門横断プロジェクトである分科会の活動から派生した新事業を立ち上げ、ボタニカルアクセサリーのデザイナーという新しい肩書を持ち、活躍のフィールドを確立した香取さんは、社内でも唯一の存在だ。とはいえ、「私自身はキャリア意識はあまりなく、大きなチャレンジをしたというわけでもなく、流れ着いたらたまたまここにいた」と話す香取さん。

「流れ着いたら今、ここに(笑)。私は、戦略を立ててキャリアを構築するタイプではありません」

 「学生時代は栄養学を学んでいました。新卒で就職したのは、水処理の会社。もともと白衣を着る研究職になりたくて、水質分析のチームに入るつもりだったのですが、なぜか私だけ希望と違う経営企画室に配属となり、広報や販促の仕事を担当しました」。水処理、飲料水、食品関係の工業展示会などに出展しイベントの運営をしたり、商品やプラントのカタログや取り扱い説明書を作ったり。環境保全に関わる仕事でやりがいもあったが、もう少し身近な商品を扱う仕事にも就きたいと、15年勤めた会社を辞めて、30代半ばで第一園芸に転職した。

 「『お花が大好き』というわけではなかったのですが、母がガーデニング好きで花に囲まれて育ったので、『私が花屋に勤めたら家族が喜ぶかな』と(笑)。なによりBtoCの販促業務ということで、ガーデニングの花のカタログ作りや、店頭作りなんて、楽しそうだな、と思いました