デザイナーとして始動、部長にも昇格

 こうして香取さんは、第一園芸の新事業「Kunie Katori」というアクセサリーブランドのデザイナーとして活動を始めた。「もうこうなると趣味の域を超えてしまい、アクセサリー作りはストレス解消にはなりませんが(笑)、デザインをするときは、趣味として楽しんでいたときの気持ちを忘れないよう、自分が欲しいもの、人にあげたくなるものをつくろう、と心がけています」

 さらに、デザイナーとしての活動始動と同時に、香取さんは広報部長にも昇進した。その後、1年もたたない間に店舗事業部長を任され、これまで経験のない分野での新たなステージに踏み出している。

 香取さんが属している「商品・サービスプランニングラボ」を含め、7つある分科会のメンバーは皆、メインの仕事に8割、分科会に2割の時間を割くことが許され、今も、本来の業務とは異なる分野で活動している。

 中でも香取さんは「デザイナー」という新たな肩書を得て、社内で活躍するもう一つのステージを確立した第一号。年齢も立場も関係なく、アイデアと熱意さえあれば、社外に出なくても新しいことにチャレンジできることを体現したロールモデルなのだ。

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取材・文/井上佐保子 写真/鈴木愛子