みんなが遠回りしているように見えてた、ごめん

 「当時の私には、みんなが遠回りしているように見えたんです。みんな、将来たくさん稼ぐために勉強してるんだろうけど、私は勉強しなくても稼げてるよって。でも、勉強は稼ぐためためだけにすることじゃないんですよね。こうして学び始めてようやく、自分の視野を広げる時間でもあることを痛感しています。

 この学ぶ尊さは、社会人経験を経て大学に入ったから、思うことかもしれません。10代の時に大学に入っても、周りに流されるだけで、自分らしい生き方は見つけられなかった気がします。思うに、自分らしい生き方を手にできて初めて欲しいものが明確になって、得るものが多くなるのか、と」

 現在、MANAMIさんは週6日通学し、平均2~3コマずつ授業を受けている。教授陣は法学をはじめ、各分野をリードするプロ集団だ。「これがもし一般のセミナーや講座だったら、ビューティキャンプだったら、1日ウン万円になることもありますよね。それに比べると、年間120万円の学費って最高にコスパがいい!」。しかも自腹をきっているからこそ、勉強に身が入るというもの。

スマホで授業の予定を管理。同級生たちや、サークルのグループのメンバーとはLINEでやり取り。「○○の勉強法を教えて」とSNSも積極的に活用している
スマホで授業の予定を管理。同級生たちや、サークルのグループのメンバーとはLINEでやり取り。「○○の勉強法を教えて」とSNSも積極的に活用している

 たまに、夜にテレビの収録の仕事が入って、深夜に帰宅して徹夜で予習する、という日もある。「ふと、私、何やっちゃってんだ? と思って、自分で自分に呆れることがあります(苦笑)」。呆れながらも充実し、自分のキャパシティーが広がっていくのは快感だ。

 「自分がしたいと思ったことは、取りこぼしなく、全部したいんです。したいと思ったのにしないのは、自己否定をしているのと同じで、自分を嫌いになる気がするから。私は、自分のことを大好きなままでいたいんです

中央大学の多摩キャンパスはとにかく広く自然が豊かだ。「休み時間は人がごった返すんですよ。毎日勉強で余裕がないですが、キャンパス生活も楽しみたいですね」
中央大学の多摩キャンパスはとにかく広く自然が豊かだ。「休み時間は人がごった返すんですよ。毎日勉強で余裕がないですが、キャンパス生活も楽しみたいですね」

取材・文/茅島奈緒深 写真/洞澤佐智子