試行錯誤を繰り返し、会社を辞めて2年目の2013年、初めて企業向けのセミナーの仕事を受注。その後、友達や知り合いを呼んで「スパイスカウンセリング」と名付けたプライベートレッスンを始め、イベント会社を通じてセミナーの依頼が続けて入るようになり、手探りながら仕事が動き始めた。今では、スパイスメーカーへの企画提供や自治体や企業での講座の他、地域貢献のために地元でワークショップを開催するなど、活動の場が広がっている。

「趣味のような仕事」と言われ悔しい思いも

 「フリーランスで活動を始めて6年。体を健康な状態に戻すのには約7年かかり、収入面ではまだ軌道に乗っているとはいえません」。現在の収入は、会社員時代の4分の1ほど。時々、「趣味のような仕事でいいね」と人から言われて悔しい思いをすることもある。

 「自分らしい働き方にシフトしたとはいえ、ビジネスとして成長しなくてもいいわけではありません。今は、家計を夫に頼っているのは事実。だから、仕事を増やすために何ができるか、常に考えています。やはり、収入は社会への貢献度の一つの目安ですから」。今年は企業向けのセミナーを増やしたり、新商品の開発を手掛けるなど、規模を大きくする仕掛けづくりに注力する。

商品企画に携わったり、企業向けに苦手な営業をやってみたり、挑戦する日々。研究を重ねて作ったオリジナルのチャイマサラは受講者から人気だ
商品企画に携わったり、企業向けに苦手な営業をやってみたり、挑戦する日々。研究を重ねて作ったオリジナルのチャイマサラは受講者から人気だ

 梅沢家では、各自の収入の増減にかかわらず、投資運用を含めた家計全体の収入から毎年互いの「取り分」を決めている。会社を辞めた後の準備期間中は、スパイスの専門学校の費用約50万円も含めて、この「取り分」と貯蓄で賄った。