ビジョンは白紙 自分探しが始まる

 「会社を辞めてどうするかは、フリーランスになること以外、何も決めていなかった」という梅沢さん。まずは、不調を抱えた自分の体を立て直すため、生活のリズムを整えることを軸にして、20代の頃にやっていた自分探しを再開した。

 せっかくやるなら自分がハマれるものを見つけたいと、あれこれ手を出した20代の経験もベースに、「興味があること」「好きなこと」「時代に合っているもの」というテーマで思い付くことを100個紙に書き出した。100のアイデアから3つのテーマに共通することを絞り込み、友人や夫に相談しながらたどり着いたのが、アーユルヴェーダの食事法として使われるスパイスだった。

 20代の頃から本格的にヨガをやっていたので、アーユルヴェーダのスパイスについても知識があった。実際、体の不調があるときにスパイスを食生活に取り入れて効果を実感できていたこともあり、「自分の経験を生かしながら、『身体を調える』一つのアイテムとして広めていきたいと思いました。自分だけの何かを探している私にとっては、競合も少ないニッチマーケットであることも決め手でした

 とはいえ、活動を始めて1~2年は、婦人科系の不調からくる重い貧血もあり、思うように体が動かなかった。