出産前に卵巣がん発症、弟の死…

 光原さんは長女を産む前の29歳の頃、卵巣がんを患い、卵巣を片方切除していた。抗がん剤も効かないタイプのがんだったため、いつ再発してもおかしくない。後悔のない人生を生きたいと思った

 それと同じくして弟が亡くなった。「すごくいい子で、大好きでとても仲良しでした。もともと心の病気を患っていたのですが、私の卵巣がん発症によって、家族の関心が私に集中してしまい、彼の症状が悪化していたことに気づけなかった。ふらりと出かけて帰らぬ人となりました」

 卵巣がん発症、弟の死、長女の病気に次女の死。立て続けに起きたショックな出来事からずっと、「生きる」意味を考えさせられてきた。

 「私の命もいつまであるか分かりません。今は余生だと考え、私がやるべきことに集中しよう、次女から引き受けた使命を全うしようと思っています

 そして、ある出合いがきっかけとなり、腹をくくった2018年12月、会社員を辞めて自分の余生のすべてをキープ・ママ・スマイリングの活動にかけることにした。

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取材・文/磯部麻衣(日経ARIA編集部) 写真提供/光原さん