看病疲れでダウン 娘は脱水症状に

 「それまで病児に向けたサービスやボランティアはありましたが、病児の付き添い者を応援するものはありませんでした。長女と次女の入院に付き添う生活は、本当に大変だったんです。電子音が鳴り続けるなかでの簡易ベッドでは安眠できませんし、定期的な見回りがあるため、まとまって眠ることもできません。心身ともに疲弊するんです。そのなかで一番つらかったのが、食事でした

 付き添っている間は、コンビニ食やおにぎり、カップラーメンばかりを食べて過ごしていた。そんな環境で過ごしていたら、無理がたたって発熱して倒れてしまった。

 「1週間かけてようやく復活し長女の元に戻ったら、脱水症状を見逃されぐったりしていたんです。病院側も十分に手が回らない状況で、自分が倒れている場合ではないと強く思いました」

 自身の体験から「病児の回復には付き添い者のケアが必要」と考えていた光原さんは、病児の付き添い者のためにご飯をつくる「ミールプログラム」を始めた

 「たくさんの病児が入院している国立成育医療研究センターのそばに『ドナルド・マクドナルド・ハウス』という、病児に付き添う家族が低料金で滞在できる施設があるのですが、そこでボランティアで夕食作りを始めました。仕事をしながらできることは限られていましたが、一歩でも歩みを止めないように最低でも月1回は開催することを決めました」。これが最初の事業となった。

ミールプログラムを始めた頃。「理念に共感してくれたメンバーが集まってくれました」
ミールプログラムを始めた頃。「理念に共感してくれたメンバーが集まってくれました」