英語で茶の湯を広める茶道家として国内外で活躍する保科眞智子さんは、専業主婦歴18年。再び働き始めたのは、44歳の時。わずか3年前だ。長年続けてきた趣味が実を結んで仕事になり、「自分らしい働き方」を手に入れた保科さん。好きな「茶道と英語」を武器に「18年ぶりに働く」——その最初の一歩をどのように踏み出したのか。

「いつか自立したい」という気持ち

 保科眞智子さんは、裏千家の茶道家だ。4クラスの教室を開く他、スリランカのジャパンエキスポや日本科学未来館の世界科学館サミット、パリで行われたジャポニスム2018など、国内外のさまざまな場で英語による茶の湯デモンストレーションを披露。2018年には「英語DE茶の湯 こんなとき、どうする?!」(淡交社)を出版し、スーツ生地を使った着物のプロデュースを手掛けるなど、その活動は多岐にわたる。

 実は3年ほど前までは専業主婦だった。

茶道家として活動する保科眞智子(ほしな・まちこ)さんは専業主婦歴18年だ

 1995年に大学を卒業、就職後1年ほどで結婚して退職。1年間、美術館でアルバイトをして、長男妊娠を機に専業主婦に。専業主婦になることに迷いはなかった。「専業主婦だった母の姿に憧れ、早くお母さんになりたいと思っていたから。当時はまだ、結婚や出産をきっかけに仕事を辞める女性も多かったんです」

 3人の子どもを授かり、子どもたちの成長する姿を励みに、妻として母として充実した日々を送る。「ただ、何か自分にできることはないかと、ずっと探していたんです。バリバリのキャリアウーマンにはなれないかもしれないけれど、いつか自立したいという気持ちはありました」。高校時代に留学経験があり、以前から英語に興味もあった。「育児と家事の合間に、小学校の英語指導者の資格を取ってみたり、同時通訳の講座を受けてみたり、英語ニュースを聞いてみたりして、ずっと『何か』を探している感じでしたね」

 一歩を踏み出すきっかけは、犬の散歩中に出合った、子ども向け英語教室の看板。