絵本作家、ライター、イラストレーター、デザイナー、編集者、出版プロデューサーとして150冊以上の本作りに関わり、女性が自信や生きやすさを取り戻すためのコンテンツを発信してきた松本えつをさん。女性を取り巻く環境を変えるには、表現するスキルを持って活躍できる女性を増やすことが必要と考え、そのためのプラットフォームづくりという新しい夢に向かって進む。

(上)絵本作家がつくった学校 女性クリエーターが社会変える
(下)「イメージする力」で仕事の結果も、人生も変わる ←今回はココ

学校内にあるアトリエ兼ギャラリーのスペースで。受講生はここで制作作業に励むほか、卒業後もコワーキングスペースとして利用する
学校内にあるアトリエ兼ギャラリーのスペースで。受講生はここで制作作業に励むほか、卒業後もコワーキングスペースとして利用する

 産後2週間がたち、体調も落ち着いてきたと思った頃に、突然の大量出血で倒れて緊急搬送された。「今夜が山場」と言われた長い夜が明けて朝を迎えたとき、松本さんは「とにかく自分が生きていることにほっとして、心からうれしかった」。

 数日後に退院できたが、しばらくは増血剤を大量に投与する治療を続けなければならなかった。そして、倒れる前は出ていた母乳がぴたっと止まって、1滴も出なくなったことに驚いた。体は、母乳よりも生命を維持するほうを優先するのだと痛感した。

 「自分はたまたま命が危ない状況になったけど運良く助かったということを大切に受け止めたい。これには何か重要な意味があるのかもしれない、と自然に思えました」

 再び生きられると分かったこれからの人生は、神様からのギフトだ。それを使って何かをすべきだという思いがだんだん強くなった。