ARIA世代は専門性をどう高めるべきか

―― 尾原さんは女性が男性社会でキャリアを築いていくうえで、専門性を身に付けることの重要性も強調されています。ARIA世代はある程度専門性を身に付けている人は多いと思いますが、これからでも高めることはできるでしょうか。

尾原 できると思います。専門性っていろんな意味がありますよね。弁護士や会計士といった資格が必要な仕事も専門性。でも、会計士はいずれAIに取って代わられると言われていますし、資格が大事という話ではありません。私はこれから特に女性が身に付けるべき専門能力というのは、プロの名に恥じない仕事をするという気概と、それを裏付けるスキル、能力だと思います。

 専門能力を持てば、それが自信につながります。女性の残念な点は、自己評価が低い人が多いことです。専門能力、つまり他の人が出来ないことができるようになれば、それを武器にさらに磨くことで、積極的姿勢と自信が増幅されます。

 今から未知の分野についてゼロから全部学ぼうとするのは大変なこと。でも、今やっていること、自分が専門能力を持っていると思っているところの延長線上や、発展させたところ、あるいはその周辺でプロフェッショナリズムを高めるということが重要ではないでしょうか。

 ファッションの仕事で言えば、日本のファッションデザイナーは、今も多くの人が手書きでスケッチを描いています。でも世界では、タブレット端末などにペン入力でイラストを描いて、修正履歴も全部データで蓄積し、共有できるようにしているんです。デザインアイデアは次々と湯水のように湧き出てくるものではありませんから、過去に描いたものをヒントにすることが往々にしてあります。

 ITを活用すれば、そこに無駄なエネルギーを割かずに済み、またできあがったデザインデータを、中国の縫製工場に瞬時に送ることもできる。そういうことを理解したら、自分に今必要な能力は何か、どこへ行ったら学べるだろうかということが見えてきます。

「ARIA世代は、今やっていることの延長線上でプロフェッショナリズムを高めることが重要ではないでしょうか」
「ARIA世代は、今やっていることの延長線上でプロフェッショナリズムを高めることが重要ではないでしょうか」