スタイリスト、ファッションディレクターとして、幅広い年代の女性から絶大な人気がある大草直子さん。「人生のピークはまだまだ先」という大草さんですが、40代半ばになって新たに見えてきた景色があるといいます。

自分が表に出ることで、手に入れられたもの

 20代は何が自分らしいかを探す旅、30代~40代中盤は自分らしさをより確固たるものにするための時期だったという大草さん。

 人生を4ステージに分けて、今はサードステージに入りかけたところで、これまでとは違った気持ちが芽生えてきたと言います。

 「自分の能力をどのように社会のために役立てるか、どうしたらお返しができるだろうかという発展のステージに入っていると感じます。40代に入って、紙媒体からWebに移ったこと、あとは自分の名前を前面に出していくこと。それらはすべて、サードステージ以降のための準備だったんです」

スタイリストとして、あえて自分の名前を出して発信しようと決めたことは大きな舵取りだったという
スタイリストとして、あえて自分の名前を出して発信しようと決めたことは大きな舵取りだったという

 本来、スタイリストとは黒子の存在。モデルや誌面を媒介にして自分のメッセージを伝える仕事ですが、そうではなく、あえて自分の名前で発信しようと決めたことは大きなかじ取りだったとか。今でこそ、スタイリストが書籍を出したり、ファッション誌でスタイリストの名前を冠した企画が作られるのも当たり前になりましたが、大草さんは早い時期からその方針に転換していました。