前回、投資は「コア」と「サテライト」の2種類で考える必要があること、サテライトとして個別株を買う場合の注意点や、個別株が下落したときの考え方を紹介しました。今回はサテライトとしてアクティブファンドを買いたい場合の考え方と注意点を、世界の資本市場を中立的な観点から調査し、投資情報を提供しているイボットソン・アソシエイツ・ジャパンのチーフ・インベストメント・オフィサー、小松原宰明さんに聞きました。

アクティブファンドを買う場合の注意点

 サテライトとして、アクティブファンドを買おうと思ったら、どんなことに注意したらよいのでしょうか。

 「指数に連動するインデックスファンドと異なり、アクティブファンドは、ファンドマネジャーが変更になり、運用方針等が変更になるケースがあることに注意が必要です。それまでのパフォーマンスが続いていくかはわかりませんし、時流に乗っているときはいいけれど、そうでないときはベンチマークより下がるケースもあり、未知数な部分が多いです」

 「また、フィロソフィー(哲学、考え方)、ピープル(運用している人)、ポートフォリオ(銘柄特性)、プロセス(ポートフォリオの策定方法)の『4P』をしっかり確認して買うことが重要。手間が非常にかかるので、忙しい人には難しいかもしれません」

 アクティブファンドの中には、「何かあったときにリスクを抑えられる機能がついている」という商品もありますが……。

 「『元本が守られる』といったうたい文句で、『プロテクト』などと名前が付いたファンドもあります。守りの投資をしたいと考えているようなご高齢の方に、特に受け入れられていると聞きます。ただ、元本が守れる機能が付いているということは、それだけコストがかかると思っておいた方がいいです。大きなコストをかけてまで投資をすることになりますが、それがそもそもの目的に合っているかを考える必要があるでしょう」

 「今は、信託報酬(運営管理費用ともいう)が、0.1%や0.2%のものも多数出ています。少し前までは1.5%が普通でしたから、10分の1ほどになっています。現在の超低金利で、定期預金では0.01%~0.03%くらいでしょうか。それを考えると、1.0%以上のコストがかかるという投資性商品は控えた方がいいのかなと感じます」

「アクティブファンドはフィロソフィー(哲学、考え方)、ピープル(運用している人)、ポートフォリオ(銘柄特性)、プロセス(ポートフォリオの策定方法)の『4P』をしっかり確認して買うことが重要です」
「アクティブファンドはフィロソフィー(哲学、考え方)、ピープル(運用している人)、ポートフォリオ(銘柄特性)、プロセス(ポートフォリオの策定方法)の『4P』をしっかり確認して買うことが重要です」