「投資をしてみたいとは思うけれど…40歳から始めても本当に大丈夫?」と不安な声もよく聞かれます。前回に続き、世界の資本市場を中立的な観点から調査し、投資情報を提供しているイボットソン・アソシエイツ・ジャパンCIOの小松原宰明さんにお話を聞きます。

退職まで20年しかない? まだ20年ある?

 40歳から投資を始めようと思っても、「20代の頃を考えると、スタートが遅いような気もする」「投資への第一歩を踏み出すのが怖い」という人も多いものです。

 ですが、「40歳や50歳で投資を始めるのは、決して遅くありません」と小松原さんは言います。

 「『40歳だと、退職まであと20年しかないから、難しいでしょうか』とよく相談されますが、逆に『20年もありますよ』とお伝えしています。50歳の人でも、60歳までは10年間あります。最近は定年退職が60歳ではなく、65歳以降に延びてきていますから、投資で運用に回せる時間がさらに増える時代です」

 「仮に65歳まで働くとしても、65歳でいきなり運用したお金すべてを引き出すことはないでしょうから、65歳以降も運用を続けていくことになります。思った以上に時間はたっぷりあるんですよ」(小松原さん)

「最近は定年退職が65歳以降に延びてきていますから、投資で運用に回せる時間がさらに増える時代です」
「最近は定年退職が65歳以降に延びてきていますから、投資で運用に回せる時間がさらに増える時代です」