人生100年時代を生き抜くARIA世代。シングルならではのお金の悩みや、病気、突然の退職など「クライシス」への備え方・乗り越え方を、FPの前野彩さんが伝授します。第4回は、シングルにとっての永遠の課題「賃貸vs家を買う」です。「家を買う」派を強力に後押しするのは「貸す、売れる物件」「増税前に」「金利が低いうちに」などの売り手のトークですが、「おひとりさま永遠の論争」に決着をつけたのは、意外なポイントでした。

「売れる条件」から入る物件選びが、実はリスクテイクに?

 独身女性がマンション購入を考えるとき「駅に近い」「将来、売れる」「いざとなったら貸すことができる」と、未来を前提とした条件から入っている人が多いようです。これからのライフスタイルを考慮した、リスクヘッジということでしょう。

 しかし自分の本当のニーズを考えずに、将来売れるかという条件だけでマンションを選ぶことは、逆に私たちにとってリスクになることもあるのです。

 シングルの住まいの購入動機は、多くの場合「将来の安心を得たい」ことから始まります。ただ、物件を見ているうちに目も肥えてきますし、「もし結婚することになったら」「もし実家に戻ることになったら」ということが頭をよぎり、「貸せる物件」「売れる物件」へと関心が移ってくるようです。それによって予算が上がれば、結果として収入に対して高すぎる物件になり、無理な借り入れなどの新たなリスクになるかもしれません。

 また、物件を見ているうちに知識も増え、「住宅ローン控除があるから買おう」「金利が安いから今なら買える」というふうに、さらに本来の目的からずれてしまうこともあります。

 実は、「消費増税前に買っておこう」については、誤解もあります。

「将来の安心を得るため」を主眼に置いて物件選びをすると新たなリスクが襲ってくる? (c)PIXTA