八重山諸島では、「命のつながり」を見ることができる
八重山諸島では、命が海から陸に上がってきた過程を見ることができる気がするんです。陸に生きる魚がいるし、マングローブガニや手のひらほどもある大きなシジミもいます。命にあふれ、命がつながっていると感じます。
この世とは別の世界、神様が住む「ニライカナイ」
「ニライカナイ」という言い伝えが沖縄にはあります。海のはるか向こうには、僕たちが住むこの世とは別の、神様が住む世界があると考えられているのです。神様は年に一度、僕たちの世界にやってきて、幸せや豊穣(ほうじょう)をもたらしてくれる。その「海の向こうの神様が住む世界」こそ、楽園と言えるのではないでしょうか。八重山諸島では、神様をお迎えする祭り・豊年祭も土地によってさまざまな趣向があり、祖先からの言い伝えに忠実に従って今でも盛大に行われています。これまでに何度も撮影に行きました。
海に囲まれて暮らす沖縄の人々は、ずっと海を見つめて生きてきました。砂浜の上で美しい水平線に目を凝らしていると、海のかなたに存在するというニライカナイの姿が見えてくるような気がします。