オーブンの中にいるような熱気の中、溶岩に大接近!

 夕暮れのなかで光る溶岩を撮影するために歩き始めたのは午後3時。日没直後には撮影ポイントに到着し、海に落ちる瞬間の溶岩を撮るために、望遠レンズを三脚に載せました。不思議なことに、強風が吹いているわけでもないのにレンズのブレが止まりません。最初はなぜだろう……と思いましたが、すぐに「大地がわずかに震えているからだ」と分かりました。その瞬間、ここに立っているのが急に怖くなりました。

 大地が震えているからこそ、目の前で赤く光る溶岩がゆっくりと動いている。固まった溶岩の間からはオレンジ色の光が漏れていてとても神秘的。 地球のエネルギーに包まれているかのような気持ちになりました。

 もっと近寄って撮りたいと思いましたが、なにしろ、オーブンの中にいるような熱気です。どれだけ水を飲んでも喉が渇き、息をするのも困難なほどでした。風向きが自分とは逆に変わった瞬間に、溶岩に向かって走り、すかさず何枚か撮っては逃げる。そんなことを繰り返してなんとか写真に収めたのが最初の1枚。強烈な地熱のため、帰る頃には登山靴の底がボロボロになっていました。ハワイ火山国立公園には、博物館やハワイアンの聖地である噴火口周辺を通るハイキングコースがあり、観光で訪れることができます。

「地球のエネルギーのすさまじさ、地球も力強く生きているのを肌で感じました」(三好さん)
「地球のエネルギーのすさまじさ、地球も力強く生きているのを肌で感じました」(三好さん)