三好和義さん スリランカを初めて訪れたのは、およそ40年前。コロンボに立ち並ぶ、ヨーロッパ統治時代の影響が色濃い「コロニアルスタイル」の建物やホテルに魅了されました。南国とヨーロッパの文化が、程よくミックスされているんです。

 その後、何度もスリランカへ旅をしていますが、念願だったヘリタンス・カンダラマに宿泊したのは3年前。車を走らせぐんぐんと森の中へ。突如視界が開けて見えたカンダラマ湖の対岸に、まさに「森の中に浮かぶ」ようにして立つ全長約1kmの広大なホテルを目にして、心が躍りました。

大自然を人間が「間借り」したかのような空間

 ホテルに到着してまずびっくり。フロントの横に、むき出しの巨大な岩が飛び出しているんです。聞けば、バワはできるだけ自然の地形を壊すことなく、そのまま生かして設計したとか。フロントに限らず、ロビーや廊下、カフェやプールも岩がむき出しになっていました。あくまでも主役は人間ではなく自然。自然を人間が間借りしているんだな、と感じました。

 部屋のベランダでは、かわいいサルたちがお出迎え。夜になると、蛍のほのかな光もたくさん見えました。ホテルの人が「蛍がいるよ」って教えてくれたわけじゃありません。たぶん、僕だけが気付いたんじゃないかな。

ホテル周辺には、サルがいっぱい! 怖くて近づけませんでした…。
ホテル周辺には、サルがいっぱい! 怖くて近づけませんでした…。
僕たちの部屋のベランダでも、サルがのんびりとくつろいでいました。部屋の窓からは、スリランカイチの観光地シーギリヤ・ロック(世界遺産)もちょこんと見えました。高さ約200mの巨大な岩山の頂上に王宮が築かれています
僕たちの部屋のベランダでも、サルがのんびりとくつろいでいました。部屋の窓からは、スリランカイチの観光地シーギリヤ・ロック(世界遺産)もちょこんと見えました。高さ約200mの巨大な岩山の頂上に王宮が築かれています