『ワンピース』に登場する街のモデルになったという説も

三好和義さん インド北部のジョードプルには4年前に2週間滞在し、親交のあるマハーラージャの誕生日会に参加しました。

 切り立つ岩山の上に立つメヘラーンガル城から旧市街を眺めると、「ブルーシティ」を実感。その美しさに息をのみました。ジョードプルは一年を通して晴天が多いため「サンシティ」とも呼ばれています。確かに夏はうだるように暑く、太陽が昇っているときは街を歩けないほど(日陰でチャイを飲んで過ごすのが正解)。

 その分この街の美しさが際立つのは、真っ赤な夕日が沈む頃。薄暮の赤と青のコントラストが幻想的で、楽園を思わせる美しさに変わります。

「ジョードプルに来たらぜひ、夕日を堪能してください」
「ジョードプルに来たらぜひ、夕日を堪能してください」

 なぜ青に塗られているのだろう……と疑問に思って地元の人に聞いてみると、2つの意見がありました。

1/昔、戦争が起きたときにバラモン階級(僧侶など)の家は襲撃してはいけないという決まりがあった。バラモン階級の家を区別するために青く塗っていたが、徐々にそれ以外の階級にも広がっていった。

2/壁を青に塗ると、涼しく感じるから。

 ……全然違う理由ですね。「区別の青」だったのか、「実用の青」だったのか。本当の理由は地元の人も分からないそうです。これまで地球上の数えきれないほどの街を訪れましたが、見た瞬間に「おおっ」と声が出た美しい街はジョードプルくらい。この街は『ワンピース』に登場する「アラバスタ」という街のモデルになったという説もあるそうです。