クジラの吐く息が届いた! ジャンプは大迫力!

 僕は、これまで小笠原に4回足を運んでいます。冬の小笠原で感動したのは、クジラとの遭遇。毎年冬に、ザトウクジラが繁殖のために数千キロも旅をして小笠原にやって来ます。2~4月にかけては、かなり高い確率でクジラに遭遇できるそうです。

「13~14メートルもある巨体が、水しぶきを派手に上げながら宙に舞う瞬間を撮ることができました。大迫力!」
「13~14メートルもある巨体が、水しぶきを派手に上げながら宙に舞う瞬間を撮ることができました。大迫力!」

 ブロウ(呼吸)、つまり潮吹きを目安にクジラを探します。どこからクジラが姿を現すか分からないので、常にシャッターに指をかけて待機しました(次第に右手がしびれます)。母クジラと子クジラが寄り添って泳ぐ姿や、子クジラがジャンプを連発する風景は、とてもほほ笑ましいもの。タヒチやハワイ、アラスカでもクジラを見たことがありますが、ここまで動きのあるクジラを見られたのは、小笠原が初めてでした。

 静かな海で周囲にクジラと僕たちしかいないときもありました。船を止めてクジラを観察していると、クジラの吐く息が僕の鼻に届いたこともあったんです。匂いは……やっぱり、魚の生臭い匂いでしたね(笑)。

小笠原は、日本最大のアオウミガメの繁殖地としても知られている。「朝方の南島の海岸で、産卵を終えたアオウミガメが海に戻るところに遭遇しました。海岸には、ウミガメが通った砂の跡がたくさん残っていました」
小笠原は、日本最大のアオウミガメの繁殖地としても知られている。「朝方の南島の海岸で、産卵を終えたアオウミガメが海に戻るところに遭遇しました。海岸には、ウミガメが通った砂の跡がたくさん残っていました」