失敗談や開発秘話はメディアの大好物

笹木 パンフレットに添えて見せる資料は、社長の苦労話や大金をかけた広告での失敗経験、全国行脚を経てオリンピック選手や高級旅館が使ってくれるようになったことなど、「ここだけの話」を提供するパワーポイントの手作り資料で、背景にあるストーリーにも興味を持ってもらえるようにしました。このようなPR活動を繰り返すことで、徐々に雑誌やテレビ番組でも紹介される機会が増えたのです。

 最初に取材依頼が来たのは地元、愛知県のテレビ局でした。資料にあった「釣り糸の赤字企業が奇跡の逆転劇」というストーリーが面白かったのか、工場を取材して中京地方限定の夕方の情報番組内で5~6分ほど紹介してくれたのですが、その直後から注文の電話が鳴りやまないという事態に。それまで、年間3000万~1億円程度の売り上げだったのが、一気に4億円に増えました。その後、浅田真央さんと結んだCM契約などの効果もあり、5年で売り上げは120億円にまで増えたのです。

取材・文/堀田恵美 写真/鈴木愛子 構成/大屋奈緒子(日経ARIA編集部)