モデルやコラムニストとして幅広く活動するクリス-ウェブ 佳子さん。センスあふれるファッションやインテリア、2人の娘たちとの日常をつづったインスタグラム(@tokyodame)は約13万人にフォローされています。おしゃれなライフスタイルで羨望を集める彼女が、包み隠さずここだけで語るARIA世代の本音。今回のテーマは「マスク依存」です。

エイジングケアを始める女子高生たち

 ある晴れた週末の夕方。中野・高円寺周辺での古着屋巡りを終えた長女が女子高生の友達を数人引き連れ、我が家のキッチンになだれ込んできた。全員165cm以上はあるだろう高身長な女の子たち。そろいもそろってミニスカートにニーハイソックスのヘソ出しルックで、まぶしいったらありゃしない。

 ダイニングテーブルを囲み、それぞれの学校での近況報告や美容トークに花を咲かせながら盛大に盛り上がっている。笑いを巡る七転八倒は見ていてほほ笑ましい。晩ご飯を作りながらこっそり聞き耳を立てていたのだが、エイジングケアをすでに始めているというのには驚いた。「肌のピークは22歳」と信じて疑わない彼女たちは、それに向けて万全な対策を取っているという。

 「でも、登山で頂上を目指すときもそうじゃないですか!? 万全に準備してから登るじゃないですか!? それと同じなんですよ!」と、親切にも完璧な例え話で説明してくれた。若さを理由にスキンケアをおろそかにしていた20代の私に聞かせてやりたい。

もう、マスクは外せない

 あと思ったのだが、ティーンエージャー特有なのかもしれないが、会話のやり取りにおいて、出だしのほとんどが「でも」で始まり、「!?」や「!」の感嘆符で終わるのはなぜだろう。大きなリアクションで話す彼女たちにつられ、頭を小刻みに振り続けながら話を聴くものだから、だんだんと頭痛がしてきた。どうやら頭痛の原因は彼女たちのキンキン声ではなく、私の聴く所作にあるのかもしれない。

 換気扇の下でハイボールをすすりながら料理をしていた私は、ふと、一人の女の子がいつまでたってもマスクを外さないのが気になった。「苦しくない? 外していいんだよ?」と声をかけたところ、その子はこう言った。

 「でも、もう外せないんですよ!」って。