今年40歳になるクリス-ウェブ 佳子さん。モデルやラジオの仕事をしながら海外を飛び回る日常や、2人の娘たちのことをつづるインスタグラム(@tokyodame)は、約12万人がフォローしている。すてきなライフスタイルで羨望を集める彼女が、包み隠さずここだけで語るARIA世代の本音とは? 今回のテーマは、「スカートめくり」についてです。

 近所の公園で「男の子はこっち、女の子はこっちに並びましょう!」、と大きな声で先生が子どもたちを列に並ばせています。男の子と女の子。「くん」と「ちゃん」で呼び分けられ、ブルーとピンクで見分けられ、模型の飛行機とお人形を分け与えられ、そういった大人の介在、有形無形のさまざまな形でのアプローチをきっかけに、子どもたちは初めて自分自身を性的な存在としてとらえ、性の区別を知り、そして異性を意識するようになります。

保育園の園庭で横行していたあれ

 好きな女の子をしつこく追い回しては意地悪をする男の子。「先生大好き」と迫りながら男性教員の足元にまとわりつく女の子。ひねた子、ませた子、こましゃくれた子。言い方はさまざまですが、総じて女の子の方が大人びていて、特に好きな気持ちの表現に関しては大人のそれとあまり変わらない気がします。私の通った保育園の園庭で繰り広げられていた恋模様。そして、先月フランスのベルサイユ宮殿で見たルイ14世時代の貴族たちが登場する恋愛劇。その2つになんだかすごく類似性を感じてしまいました。

 そう言えば、園庭で横行していたあれ。「スカートめくり」。あれは一体なんだったのでしょう? 「嫌よ、嫌よも好きのうち」の手本を示すかのように、少しの期待にほおを染め、笑みを浮かべて逃げ回る女の子たち。そして、そんな期待に応えるかのように女の子のお尻を追い回す男の子たち。一見微笑ましい光景だったのでしょうが、よくよく考えてみると、このスカートめくりという他愛のない遊びによって私たちは知らぬ間に「イヤ = NO」が必ずしもまかり通らないことを体得していたのかもしれない。さらには、「ツンデレ女子」と「勘違い男子」という厄介なキャラ育成の温床は、実は園庭にあったのかもしれない……。昼間の公園ベンチに一人腰かけ、無邪気に遊ぶ園児たちを眺めながら、そんなとりとめのないことを考えていました。暇だったんですよ、私、その日……。