モデルやコラムニストとして幅広く活動するクリス-ウェブ 佳子さん。センスあふれるファッションやインテリア、2人の娘たちとの日常をつづったインスタグラム(@tokyodame)は約13万人にフォローされています。おしゃれなライフスタイルで羨望を集める彼女が、包み隠さずここだけで語るARIA世代の本音。今回のテーマは「腹を割って話す」です。

腹と心の深い関係性

 ふと、思い立って調べてみました。腹に関する慣用句。

「腹黒い」「腹が据わる」「腹を固める」「腹を決める」
「腹を切る」「腹をくくる」「腹を探る」「腹を立てる」

 「心情、腹中にあり」といった具合に、どれも心や感情を意味するものばかり。腹を心という字に置き換えてみても全く違和感がありません。

腹の虫 夏を越しても 収まらず
秋を越しても 鳴きやまず

 反抗期の真っただ中にいた次女が不意に言ったことを思い出しました。「とりあえず冷蔵庫だけは満たしておいて」 ―― 彼女の言葉を意訳すると「反抗期の子どもの心を完全に満たしたければ、とりあえず腹を満たすべし」ということなのでしょう。それ以来、私は使命感を持って冷蔵庫をおいしいもので満たすようにしています。

 では、そろそろ腹をくくって説明したいと思います。腹に関する慣用句を調べてみようと思った理由を。

 それはある日の夕方のことでした。女性ライフスタイル誌を1冊、ソファの上に広げっぱなしにしていたのですが、学校から戻った長女が開いていたそのページの記事に目を落とし、しばらくしてから「えっ、素晴らしい!」と言ったのです。